きゅうり果肉中への食塩およびソルビトールの浸透と水分量の関係
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概要
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きゅうりを約10gの小片に薄切りし、その14片を3 lの5〜20%ソルビトール溶液、または5〜20%ソルビトールを含む10%食塩溶液に、攪拌しながら4℃で塩漬した。そして、塩漬によって果肉中に浸透したソルビトールと食塩の量および水分量を経時的に測定した。得られた結果は以下のとおりである。(1)果肉中に浸透したソルビトールと食塩の量(%)の比率は、塩漬の間中一定に保たれ、その比率は使用する浸漬液中の両成分の組成に依存して定まった。(2)果肉中に浸透したソルビトールの量(%)とその果肉中の水分量とは良い相関を示したが、この関係は食塩が同時に浸透するとやや変動した。(3)果肉中に浸透する食塩量(%)と果肉中の水分量との間にも類似の良い相関があり、この関係も同時に浸透するソルビトールの量によって僅かに変動した。(4)果肉中のソルビトールまたは食塩の量(%)と水分量の直線から、ソルビトールまたは食塩による果肉の脱水率を求めると、ソルビトールと食塩の混合溶液中での脱水率は、それぞれの成分が単独で示す脱水率の合計に近似した。これらの結果は、塩漬きゅうり果肉の水分量を、塩漬に用いる溶液中のソルビトールと食塩の組成によって調節可能であることを示している。
- 1996-02-20
著者
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南部 正一
東和化成工業株式会社食材開発研究センター
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大石 明美
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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北島 徹
東和化成工業(株) 食材開発研究センター
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木内 秀和
東和化成工業(株)食材開発研究センター
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大石 明美
東和化成工業株式会社 食材開発研究センター
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大内 秀和
東和化成工業株式会社 食材開発研究センター
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南部 正一
東和化成工業(株)
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