冷麺の食味特性におよぼすでんぷん原料の影響
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概要
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小麦粉(中力粉,準強力粉,強力粉)とでんぷんの種類(バレイショでんぷん,サツマイモでんぷん,トウモロコシでんぷん,キャッサバでんぷん)およびその配合比率を変えて製造した冷麺について茹試験やテンシプレッサによる多重バイト試験,および官能検査により評価を行った。特に,4種類のでんぷんを40%配合した麺については外観,風味,テクスチャー,嗜好性に関する16項目にセマンティックディファレンシャル法(SD法)により官能検査を実施した。その結果,麺の食味や物性は小麦粉の種類による影響は少なく,ほとんどでんぷんの種類により異なることが分かった。バレイショでんぷんを配合した麺は他のでんぷんよりも茹溶出量が1/2以下とかなり少なかった。テンシプレッサによる茹麺のテクスチャー測定から,バレイショでんぷん配合麺は硬くしかもしなやかさがあることが分かった。官能検査の結果,バレイショでんぷんを使用した試料がすべての項目で他の試料よりも高い評価を得た。バレイショでんぷんと比較して,サツマイモでんぷんは色調が暗く,透明感が低かった。トウモロコシでんぷんはすべての評価項目でバレイショでんぷんに準ずる評価を得た。キャッサバでんぷんは弾力が少なく柔らかな食感であった。食味特性の強弱と好みによる評価との間には強い相関関係があり,冷麺の好ましい特性としては明るい色調,透明感があること,硬く弾力のある食感,べたつきがないこと等が重要であることが分かった。SD法による食味特性の強弱に関する官能検査結果の因子分析により3つの因子が抽出された。第1因子は嗜好性と食感,第2因子は外観,第3因子は太さと風味であった。嗜好性と食感の評価項目間の密接な関係より,冷麺の評価には食感がきわめて重要であることが分かった。同様に,食味特性の好みに関する官能検査結果の因子分析によって,第1因子として外観,第2因子として食感が摘出された。
- 1997-08-20
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