科学の学習過程にみられる「思い違い」 : 教師教育のための分析と教材化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では,自然科学の学習過程にみられた思い違い(誤解)を四種類「身近かな現象の理解」「簡単な測定器具の使い方」「教科書の実験の解釈」「法則の証明法における論理」に分けて検討する。そのような思い違いの生まれた教材は,科学教師をめぎす学習者のために,積極的に取り上げられるべきである。思い違いは科学の学習過程でしばしばみかけるものであり,科学の理解は誤解を修正しながら深められていくものだからである。教師教育のための実験教材化の形式は次のようにまとめられる。学習者に,まず,実験を示し「何が起こるか」「どうなるか」と結果の予想を求め,次に「これは何を示す実験か」「どうしてこうなったか説明せよ」と根拠を分析説明させ,最後に,実験全体の流れを検討させる。思い違いの例題を分析してみると,科学学習者には,科学的思考法を注意深く教える必要があることがわかる。This note deals with four types of misunderstanding in the science learning process; comprehension of phenomena in everyday life, how to use simple instruments for measure- , ment, interpretation of experiments in textbooks, and the logic of verification of natural laws: Such teaching materials should be positively introduced to students who aim at science teaching, because not only do misunderstandings often appear in the learning process, but also the students learn natural science over their misunderstanding. The format of materialization for teacher education is as follows. The science teachers have to ask the students, firstly "What happens?" after the experimental demonstration. Secondly, "What does this show?" or "Can you explain why this happened?" Lastly, "Re-examine the experimental procedure globally!" Analysis of the misunderstandings suggests that each science learner needs to be carefully taught scientific thinking.
- 上越教育大学の論文
著者
関連論文
- 化学電池を教材とするエントロピーとギブスエネルギーと熱力学的可逆過程の導入法について
- モルの次元の教材化と物質量の釣り合いについて
- 熱力学的物理量としての温度の導入法について
- 科学教育における「質量保存」の法則 : 「教えられないこと」をめぐって
- 物質量とモルをめぐる「思い違い」 : 教師教育のための分析と教材化
- 科学教育における「記述論理」と物質に関する「巨視的概念」の形成について
- 化学量論に基づく物質量の指導法とその学習過程における高校生の理解の分析
- 物理化学教育における化学数理 : 分布と誤差について
- 物質量とモルに関る教具-開発と利用-の研究
- 図の同値関係を用いる「理解の程度」の測定 : 乾電池の「並列つなぎ」を例にとって
- 「物質量とモルは物理量である」について
- 物質量とモルの授業計画ー方法と展開ーについて
- 物質量とモルの指導案ー考え方と授業実践ーの研究
- 分割法による大規模共役系のケクレ構造の総数とPauling Bond Orderの計算
- Li^+イオンと Fully-benzenoids との相互作用
- 合成法による大規模共役系のケクレ構造の総数と Pauling bond order 計算
- 試験管気泡法による化学物質の反磁性・常磁性の簡易判別実験
- WWW上の化学教育活動と「化学教育ジャーナル(CEJ)」のめざすもの
- WWW 上の化学教育活動と「化学教育ジャーナル(CEJ)」のめざすもの
- フラレン類とそれらの部分構造におけるケクレ構造数え上げのアルゴリズム
- 「物理量は数値と単位との積」について
- 科学教育における物理量の処理方法とモル演習の方略について
- 英文で読める文学教育雑誌を散見する
- 簡易電位差計を用いた電気化学的測定
- 科学の学習過程にみられる「思い違い」 : 教師教育のための分析と教材化
- 化学教育における物質量の測定法と生徒の学習上のつまづきについて
- 化学教育における平衡をめぐる理解と誤解について
- 中等物理化学教育における物理量の表現とその導入法について
- 教育的効果を期待する「選択式演習問題集」作成のためのアルゴリズムとデータ構造
- 教育的効果を期待する 「選択式演習問題集」 作成のためのアルゴリズムとデータ構造
- エネルギーの物理化学的諸性質と導入時の問題点
- Common Lispによるポリヘックス上のケクレ構造の数え上げ
- 物理量としての単位モルの導入法について
- 「CSSJ化学の学校」と化学教育活動について
- 科学教育における量の計算法について
- 物理量としての単位モルの導入法について
- 初等中等科学教育における物理量と単位系について
- 燃焼に関する疑問について(周期律)
- 初等中等科学教育における物理量と単位系について
- 金属以外の活物質を利用する電池
- 銀電極を基準とした電極電位と電池の極性(小・中・高のページ)
- 化学平衡を演示するための自己酸化還元型電池
- 電池の原理と構造を理解するための自己酸化還元電池
- フラレン類とそれらの部分構造におけるケクレ構造数え上げのアルゴリズム
- 仮想原子を用いたWWW上における化学結合教材の開発
- 酸化還元概念を視覚的に導入する新電池(溶液フロー型電池)の研究開発
- Webを利用したレポート提出システム
- ネットワークを利用したNMR予約管理システム(第4報)
- ネットワークを利用したNMR予約管理システム(第3報)
- ネットワークを利用したNMR予約管理システム(第2報)
- 英文で読める化学教育雑誌を散見する
- 「物理量は数値と単位との積」について
- 試験管気泡法による化学物質の反磁性・常磁性の簡易判別実験
- 化学教育における物質量の測定法と生徒の学習上のつまづきについて
- Webを利用した採水場所予約プログラム
- モデルを利用した分子の対称性学習ソフト
- ネットワークを利用したNMR予約管理システム
- Javaを用いた分子の対称性と基準振動に関する学習プログラム
- ネットワークを利用したインタラクティブなソフトウェア
- ネットワークを利用したインタラクティブな定性分析ソフト
- 分子の対称要素と対称性についての学習プログラム
- LANを用いての採水場所予約プログラム
- ごみ分類検索システムの構築
- eラーニングシステムの構築と分子対称性の学習への適用
- 分子の対称性についての学習プログラム
- 分子軌道プログラムのTrue BASICへの移植
- 電流とイオン流との間の「類推」の実験学習
- 「物質量とモルは物理量である」について(フォーラム)
- 物質量とモルの授業計画ー方法と展開ーについて
- 物理化学教育における化学数理 : 分布と誤差について
- True BASICにおける特異性