<原著>高齢女性の看取りの場としての特別養護老人ホーム
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概要
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全国特養139施設(32.7%)において, 1996年4月1日〜1997年3月31日の在所者中の死亡者に対する看取りの調査を行った.在所者数合計9,040人で, 平均年齢は82.3歳, 標準偏差は2.3歳であった.在所期間は平均5.29年で, 標準偏差は4.5年であった.その内の年間死亡者は1,290人(14.3%)で, 男性382人(29.6%), 女性908人(70.4%)であった.死亡時平均年齢は85.0歳, 標準偏差は7.9歳(男性82.8土8.2歳, 女性86.0±7.6歳)であった.特養での死は, 男性に比べ女性が長寿であることと, 配偶者と死別した女性の看取りであることが特徴である.特養での死は高齢女性の問題であるといえる.女性の方がより多く特養での死を希望している傾向があった.女性の家族は特養での看取りを男性の家族よりも多く希望していた.高齢女性が特養を死の場所と決定する要因としては, 特養入所後の生活の質や家族の支援の質が影響する.後期高齢女性では, 社会的支援の質や量には, 前期高齢女性より少ないことと役割逆転が影響するため, 死の場所の決定を家族や施設側の希望に任せざるを得ない状況になる.入所者や家族が看取りについて, 疾病や寝たきりおよび痴呆症をどう受け止めるか, また施設職員の医療や看取りに対する価値観が影響する.高齢女性本人や家族への療養指導および看取りのための準備や死の準備教育が求められる.
- 川崎医療福祉大学の論文
- 2000-06-26
著者
-
小河 孝則
川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科
-
大澤 源吾
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
人見 裕江
川崎医療福祉大学
-
中村 陽子
川崎医療福祉大学
-
宮原 伸二
Npo法人総合ケアシーザル
-
宮原 伸二
川崎医療福祉大学
-
人見 裕江
千葉大学医学部附属病院 看護部
-
人見 裕江
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科博士後期課程
-
徳山 ちえみ
玉野看護福祉総合専門学校
-
松村 文恵
特別養護老人ホーム宇甘川荘
-
西村 茂子
特別養護老人ホーム敬老園
-
小河 孝則
岡山大 医
-
小河 孝則
川崎医療福祉大
-
小河 孝則
鳥取大学 医学部 保健学科
-
徳山 ちえみ
鳥取大学 保健
-
人見 裕江
昭和大学病院 看護部
-
中村 陽子
鳥取大学 医学部 保健学科
-
大澤 源吾
川崎医大 病院 腎セ
-
人見 裕江
鳥取大 医 保健学科
-
大澤 源吾
川崎医療福祉大学
-
人見 裕江
川崎医療福祉大 医療福祉
-
宮原 伸二
川崎医療福祉大
-
宮原 伸二
NPO総合ケアシーザル
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