高齢者のターミナルケアにおけるソーシャルサポートの現状と課題(第2報) : 嫁の義親の看取りの意味とその構造
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概要
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高齢者の看取りの中心になる嫁に焦点を当て, 家族関係の中で嫁の義親の看取りの意味とその構造を明らかにすることを目的とした.広報紙のおくやみ欄から抽出し, 面接許可")得られた死別家族に, 闘病期間, 死の場所やソーシャルサポート, 看取りの思い, 悲嘆作業の過程を調べた.面接した事例の内, 嫁の看取りが13事例あり, 姑の看取り9例と舅の4例, 在宅死は各3例と2例であった.逐語録から, 嫁が姑・舅を看取ることの意味に対する解釈として述べられている部分から全カテゴリーをつなげ, 整理した.「看取りの時期」を予後不良と診断された時期から死までと死別の悲嘆作業の時期とした.その結果, 嫁の義親の看取りでは, 「家族関係とその変化」, 「嫁を支援する人間関係とその変化」, 「嫁の死生観とその変化」, 「姑や舅の死生観とその変化」および「地域とのつながり」が中心的テーマであった.姑舅と嫁を中心とした人間関係を支援する家族関係・友人や隣人等嫁の支援関係や地域の価値観や風習, 世間体のような地域とのつながりへと各テーマ個々の発達・成長過程があり, 各テーマ相互の流動的な関連が認められた.また, 嫁と姑舅関係が影響し, また夫の価値観や夫との関係がむしろ影響していた.看取りの意味づけ上, 介護の負担感, 否定的側面のみでなく, 家族成員相互の関係から, 家族成員個々の, 特に嫁夫婦の発達・成長過程を把握し, 介入する意義が大きいと考えられた.そして特に, 予期的悲嘆での看護介入として, 発達および成長過程を促進させるような介入が, 嫁の悲嘆作業をスムーズに経過させる重要な要素となりうることが示唆された.
- 川崎医療福祉大学の論文
著者
-
柳 修平
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
菊井 和子
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
人見 裕江
川崎医療福祉大学
-
宮原 伸二
Npo法人総合ケアシーザル
-
宮原 伸二
川崎医療福祉大学
-
人見 裕江
千葉大学医学部附属病院 看護部
-
人見 裕江
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科博士後期課程
-
塚原 貴子
川崎医療福祉大学
-
塚原 貴子
川崎医療短期大学看護学科
-
小柴 順子
川崎医療福祉大学
-
中西 啓子
川崎医療短期大学
-
影本 妙子
川崎医療短期大学
-
近藤 功行
川崎医療福祉大学
-
中西 啓子
川崎医療短期大学看護科
-
人見 裕江
昭和大学病院 看護部
-
人見 裕江
鳥取大 医 保健学科
-
柳 修平
川崎医療福祉大学
-
柳 修平
川崎医療福祉大 医療福祉
-
柳 修平
川崎医療福祉大学 医療福祉学部 保健看護学科
-
人見 裕江
川崎医療福祉大 医療福祉
-
塚原 貴子
川崎医療短期大学看護科
-
宮原 伸二
川崎医療福祉大
-
影本 妙子
川崎医療短期大学看護科
-
宮原 伸二
NPO総合ケアシーザル
-
小柴 順子
広島大学医学部保健学科
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