旭川市幼児健康教室の活動

概要

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旭川市では,昭和53年10月から1歳6か月児健康診査(以下,健康診査を健診と略記)が実施されるようになった。対象児は年間約4,500名,そのうち約85%にあたる3,800〜3,900名の子どもたちが健診を受けている。健診によってスクリーニングされ,要継続児とされる子どもたちは,受診児の12〜14%,実数にして約500名である。この中には,やがて順調な発達経過を辿るようになる子どもたちも数多く含まれている。しかし一方では,その後も発達像に顕著な進展がみられず,2歳6か月前後の年齢段階になっても依然として発達的変化に乏しい子どもたちもいる。その数は年間40名〜50名であり,健診受診児全体の1.0〜1.3%,要継続児の8〜10%を占めている。旭川市では,従来,これらの子どもたちに対し,家庭訪問,幼児健康相談などによって対応してきたが,昭和58年4月から新たに幼児健康教室を開設し,さらなる相談・援助の試みを行ってきた。本稿では,この幼児健康教室に焦点を絞り,その開設に至る経緯と現状について報告し,今後の活動に向けてのいくつかの課題について検討してみた。
北海道教育大学の論文
1987-03-15