フクギの樹種特性に関する研究 (III) : 葉の外部形態とクロロフィル含量(林学科)
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概要
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1. 西表島船浦の山地フクギ林, 沖縄本島の北中城村泊のフクギ屋敷林及び名護市のフクギ・グリーンベルトに供試木を設定して試料を採取し, 葉の外部形態及びクロロフィル含量について, 1986年9月より1987年1月間に実験を行なった。2. フクギの葉には, 陽葉と陰葉とがあり, 外部形態の違いで区分できたが, 両者の相違は, これまで他樹種で言われているように, 陽葉は小形で幅が広く, 肉厚であり, 陰葉は大形で幅が狭く, 肉薄であるという性質は必ずしも明瞭には認められなかった。3. 気孔の数は単位面積当りで陰葉(353∿383no./(mm)^2)の方が陽葉(440∿558no./(mm)^2)より少なく, また, 樹冠上部より下方に向うにつれてその数は減少した。気孔の大きさ(長径)は平均31.7∿34.3μで他樹種に比して比較的大きく, 陽, 陰両葉での差は明瞭ではなかった。4. 単位生重量当りのクロロフィル含量は平均で陽葉2.24mg/g, 陰葉1.98mg/gと前者で多く, 他樹種での一般的傾向とは異なっていた。また, クロロフィル含量は広葉樹では中位である。5. 葉緑素計の値とクロロフィル含量との関係を検討した, 陰葉は葉緑素計の値が70∿95,クロロフィル含量が1.50∿2.26mg/g(生)で, 陽葉のそれは各々, 95∿115,1.89∿2.64mg/g(生)であった。また, 葉緑素計の値(X)とクロロフィル含量(Y)との関係は, Y=0.0199X+0.1766(r=0.8984)で近似できた。
- 琉球大学の論文
- 1987-12-05
著者
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