メヒルギの育苗試験(生産環境学科)
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概要
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1. メヒルギ胎生芽を使用して,培地別育成試験を無施肥で18ヶ月間実施した。処理区は以下のとおりである。A : バーミキュライト+腐葉土,室外 B : 砂質土,室外 C : バーミキュライト+腐葉土,温室内 D : 対照区(野生苗)2. 主軸長及び着生葉など地上部の生長では,育成苗(A∿C区)は野生苗(D区)に及ばなかったが,地下部の生長はその逆で育成苗の方が良好であった。そのためTR率は育成苗で0.87∿0.99,野生苗で1.28であった。3. 育成苗は,砂質培地よりバーミキュライトに腐葉土を加えた培地で生育が良好であった。また,同じ培地を使用した温室内・外の試験では,温室内の方が温室外より生長が良好であった。これは冬季期間,室内が室外より気温が高いこと及び日陰効果によるものと考えられた。4. 一葉当りの平均面積は,野生苗で13(cm)^2,育成苗で6∿13(cm)^2と,C区では同様の値を示した。また,SLAは育成苗では砂質土のB区の48.06(cm)^2/g以外は54.16(cm)^2/gで,野生苗の53.61(cm)^2/gとほぼ同値であった。5. バーミキュライトに腐葉土を混じた人工培地で,無施肥で野生苗と同様な生育の苗を育成できたが,育成苗では地下部への分配率が野生苗より大きく,そのためTR率が1.0以下であった。地上部への分配率を高めることが今後の課題である。
- 琉球大学の論文
- 1993-12-01
著者
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