ジャーガルとその母材に関する研究 : 第 5 報沖縄本島, 那覇市具志および具志頭村安里土壌(層)断面の粘土鉱物(農芸化学科)

概要

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沖縄本島南部において, 堆積様相がいずれも異なる泥灰岩層の上部にそれぞれ砂岩層(ニービ層)が堆積する那覇市具志(O-11)断面および赤褐色土層(マージ層)が堆積する具志頭村安里(O-14)断面について, 2,3の理化学性, 粘土部分の非結晶質および結晶質成分, およびシルト部分の1次鉱物組成などの特徴を調べた。ニービ層のpHは概して弱アルカリ性を示し, 砂部分は80∿90%を占めた。非結晶質成分は25∿39%で, ジチオナイト, シユウ酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムなどによる可溶成分はそれぞれ組成が異なり, 層間でも若干異なった。そして, 可溶成分中のFe_2O_3含量はジチオナイトで11∿18%, シユウ酸ナトリウムで4∿6%を示し, いずれも他の堆積物より多かった。残りの結晶質成分はイライトやモンモリロナイトが主体で, 他にバーミキユライトークロライト中間種, バーミキユライト, クロライト, カオリン鉱物および少量のパイロフイライトが随伴した。一方, 1次鉱物は石英が主要鉱物で, 他に長石, ダイアスポア, ドロマイト, パイロフイライトおよびクリストバライトが存在した。クチヤ層はいずれも弱アルカリ性の反応を示し, 粘土含量が9∿12%の壌土を示した。粘土部分の非結晶質成分は各可溶成分間および各層間で異なり, 特に水酸化ナトリウム可溶成分の特徴は泥灰岩層の堆積様相の差異を反映するように思われ, 断面間で著しく異なった。Fe_2O_3含量はジチオナイト可溶成分で2∿5%, シユウ酸ナトリウム可溶成分で2∿3%をそれぞれ示した。結晶質成分は81∿91%で他の堆積物よりも多く, 鉱物組成はほぼニービ層に類似するが, 粘土部分にパイロフイライトは存在せず, そしてシルト部分にカルサイトが存在してパイロフイライトおよびダイアスポアは存在しなかった。マージ層のpHは概して酸性を示し, 粘土含量は21∿40%で埴壌土∿軽埴土を示した。非結晶質成分は各可溶成分間および各層間で異なった。特にシユウ酸ナトリウム可溶成分と水酸化ナトリウム可溶成分とでは, 他の堆積物には見られない著しい特徴の差異が認められた。ジチオナイト可溶成分中のFe_2O_3含量は8∿13%で, 他方の成分中のそれは1∿2%であった。結晶質成分は68∿80%存在し, イライトやバーミキュライトークロライト中間種が主体で, 他にバーミキュライトやカオリン鉱物が随伴した。そして, これらに附随してモンモリロナイトが存在した。また, 1次鉱物としては石英が主要鉱物で, 他に長石やクリストバライトが随伴した。
琉球大学の論文
1979-12-11

ジャーガルとその母材に関する研究 : 第 5 報沖縄本島, 那覇市具志および具志頭村安里土壌(層)断面の粘土鉱物(農芸化学科)

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