沖縄島における浄水汚泥の主要構成成分と理化学性(生産環境学科)

概要

論文の詳細を見る
農業用客土資材として有効利用するために,沖縄島の石川,北谷,コザ,西原の各浄水汚泥の主要構成成分と理化学性とを調べ,さらに県内の代表的耕地土壌の理化学性とも比較した。得られた結果は,次のように要約することができる。1)一次鉱物はいずれも石英が主体で,その他に石川汚泥では長石,コザ汚泥では方解石が附随した。二次鉱物はいずれもカオリナイトやイライトが主体で,それらの他にバーミキュライトークロライト中間種鉱物が附随した。石川および北谷汚泥ではゲーサイトも随伴した。2)有機物含量は約5∿16%で,いずれも耕地土壌の約2%より高かった。3)土性は一般に粘土含量が高く,西原汚泥で砂含量,コザ汚泥でシルト含量がそれぞれ高かった。4)pH(H_2O)はいずれも弱アルカリ性を示し,全窒素含量はいずれも耕地土壌より倍以上高かった。5)CECは約5∿16me/100gを示した。交換性Ca含量は約7∿53me/100gで,いずれも酸性土壌の国頭マージよりかなり高かった。6)可給態リン酸含量は西原汚泥で約7∿8mg/100gで,他の汚泥より17倍以上も高かった。リン酸吸収係数は約2,400∿2,700mg/100gで,耕地土壌より3∿5倍も著しく高い値を示した。以上のことから,浄水汚泥の資材特性は耕地土壌に対して全体的には優るものが多く,農業用客土資材として有効利用できる可能性が高いと考えられる。
琉球大学の論文
1992-12-01

沖縄島における浄水汚泥の主要構成成分と理化学性(生産環境学科)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク