発達性読み書き障害群のひらがなとカタカナの書字における特徴 : 小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)を用いて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は, 発達性読み書き障害児の診断評価の補助的な指標となる書字特徴を明らかにすることである. 対象は専門機関にて診断を受けた1年生から6年生の発達性読み書き障害児45名と, 定型発達児560名である. 小学生の読み書きスクリーニング検査のひらがな, カタカナ1文字と単語の書取課題にて分析した結果, 発達性読み書き障害児の書字特徴は, 特殊音節で誤りやすく, その誤りは学年が上がっても減少しにくい点, 低学年ではひらがなの単語よりも1文字で誤りが多い点, ひらがなに比べてカタカナの習得の遅れが著しい点であると思われた. 一方, 主に1年生から3年生でひらがな単語の心像性効果が両群で認められる可能性が示唆された. したがって, ひらがなやカタカナに関して1文字と単語双方の書取課題を実施し, これらから得られた書字特徴を確認することが発達性読み書き障害児の診断評価における補助的な指標となりうるのではないかと考えられた.
- 日本音声言語医学会の論文
- 2010-01-20
著者
-
宇野 彰
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
鈴木 香菜美
筑波大学第二学群人間学類
-
春原 則子
目白大学保健医療学部
-
金子 真人
帝京平成大学健康メディカル学部
-
粟屋 徳子
東京都済生会中央病院リハビリテーション科
-
狐塚 順子
埼玉県立小児医療センター
-
後藤 多可志
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
宇野 彰
国立精神・神経センター精神保健研究所
-
宇野 彰
筑波大学 第二学群人間学類
-
宇野 彰
国立精神・神経センター 精神保健研究所
-
宇野 彰
国立精神神経センター
-
後藤 多可志
目白大学保健医療学部
-
金子 真人
都立松沢病院リハビリ科言語室
-
Wydell Takeo
School Of Social Sciences Brunel University
-
粟屋 徳子
東京都済生会中央病院
-
WYDELL Takeo
東京都済生会中央病院リハビリテーション科
-
宇野 彰
筑波大学
-
宇野 彰
筑波大学大学院 人間総合科学研究科
関連論文
- 発達性ディスレクシアと後天性大脳損傷による小児の失読失書 : —特に漢字書字障害について—
- 韓国語話者小学校3年生における音読にかかわる要素的認知能力の検討 : —定型発達児と読み成績下位児を対象として—
- 発達性読み書き障害群のひらがなとカタカナの書字における特徴 : —小学生の読み書きスクリーニング検査 (STRAW) を用いて—
- 発達性読み書き障害児における視機能, 視知覚および視覚認知機能について
- 急性脳症後に前頭葉,側頭葉機能障害を来した1小児例 : 神経心理学的検査と神経画像による評価
- 発達性 dyslexia 例における擬漢字を用いた作業記憶遂行中の大脳賦活部位に関する研究
- 漢字書字困難児における方法別の書字訓練効果 : —単語属性条件を統制した単語群を用いた検討—
- 症例報告 注意欠陥多動性障害および発達性読み書き障害併存例における認知神経心理学的検査および学習到達度検査のメチルフェニデート投与前後での比較
- 成人領域での認知神経心理学を発達性 dyslexia へ直接適用する際の問題点について : 表層性と音韻性 dyslexia を中心に
- 医療関係者における医療と教育の連携について : 学習障害児の指導に関して