個体差のある対象の画像照合に適した確率的増分符号相関(顔・身体動作認識, <特集>画像の認識・理解論文)

概要

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人物の顔のように, 個人差や変形を伴う対象の画像照合に適した新しい統計量として, 確率的増分符号相関(Probabilistic ISC)を提案する. Probabilistic ISCは, 複数の参照画像から算出した増分符号の生起確率に基づく統計量である. 空間的な明度の増減のみに着目して照合を行うので, 照明条件の変化などの影響を受けにくい. また, 対象の形状変化等により生じる増分符号の変動を確率によって表現し, 変動の小さい特徴に大きな重みを与えて照合を行うことによって高い照合精度を実現している. 計算コストは増分符号相関と同程度に小さく, ハードウェアによる実現にも適している. 統計的性質に基づいて, 解析的に照合しきい値を設定することも可能である. 提案手法の有効性を検証するため, 2, 420枚の画像から顔を検出する実験を行った結果, 正規化相関や増分符号相関などの相関に基づく方法だけでなく部分空間法に比べても高い検出精度が得られた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-08-01