電撃様関節痛と開口障害が長期に持続した顎関節症の1例
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概要
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患者は38歳女性で開口障害と左側顎関節痛を主訴に来院した。MR画像にて両側非復位性円板前方転位,closed lockを認め,パンピングマニピュレーション施行後,一時的には十分な開口距離を得られ関節痛も軽減したが,関節痛が増悪し,開口距離の低下と電撃様の関節痛と前頭部の自発痛を呈した。そこで洗浄療法,スプリントのさらなる咬合挙上,ヒアルロン酸ナトリウム連続注入療法を施行するも奏功せず,関節円板の癒着を疑い,鏡視下剥離授動術を施行した。両側に滑膜炎と癒着病変を認め,特に左側は著明であった。術後開口訓練を積極的に行い,術後7週で開口距離53 mm,術後3か月には電撃様関節痛が完全に消失した。術後より不安症状が強く,心療内科での加療後不安症状の軽減に伴い関節痛も軽減した。
著者
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窪 寛仁
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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四井 資隆
大阪歯科大学歯科放射線学講座
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清水谷 公成
大阪歯科大学歯科放射線学講座
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後藤 基宏
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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大西 祐一
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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中嶋 正博
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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赤峯 勇哲
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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森 悠衣
大阪歯科大学
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覚道 健治
大阪歯科大学 口腔外科学第二講座
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大西 祐一
大阪歯科大学
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中嶋 正博
大阪歯科大 歯 口腔外科学第二
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四井 資隆
大阪歯科大 歯 歯科放射線学
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岩崎 春美
大阪歯科大学口腔外科学第二講座
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秋山 広徳
大阪歯科大学歯科放射線学講座
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清水谷 公成
大阪歯科大学放射線学教室
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