Streptomyces caespitosusの生産する酵素に関する研究(第3報) : アシラーゼの生産とその性質について
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概要
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(1)Streptomyces caespitosusはプロテアーゼとともに,強いアシラーゼを培養液中に菌体外酵素として蓄積することを認めた.培養にあたって,本酵素はプロテアーゼ生産とほぼ並行して増加した. (2) 部分的に精製した酵素の性質を調べた結果,基質特異性は非常に低く,酸性アミノ酸以外の広範囲のアシルアミノ酸に対し,ほぼ等しい加水分解速度を示した.最適作用pHは基質により若干異なるが,pH 7.0〜8.0にあり4.0〜7.5で安定であった.最適温度は反応時間10分では60°Cであり,熱安定性は60°C以下であった.Ag以外にはアシラーゼ活性を阻害する金属イオンは認められず,酵素活性を賦活する金属イオンもなかった.N-acetyl-DL-phenylalanineに対するMichaelis定数群よKm=1.17×10-2M,活性化エネルギーは9630 calであった. (3) 本酵素は光学的特異性を有し,種々のDL一アミノ酸の光学分割に用いることができるが,1例として,O-benzyl-DL-serineからL-セリンを単離した.
著者
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野口 祐一
協和醗酵工業株式会社防府工場
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横手 保治
協和醗酵工業株式会社東京研究所
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久代 浩徳
同社堺工場
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工藤 士郎
同社堺工場
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野口 祐一
協和醗酵工業株式会社富士工場
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横手 保治
協和醗酵工業株式会社防府工場
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