L-グルタミン酸生産菌によるL-プロリンの生産
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概要
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著者らはCorynebacterium glutamicumによるL-グルタミン酸発酵液中にしばしばL-プロリンを副生することを見出し, この副生プロリンを増加せしめ発酵法によってL-プロリンを製造することを目的として種々の検討を行なった.多数のL-グルタミン酸生産菌株についてL-プロリン生産能をしらべたところ, 殆ど全部の菌株に生産能を認めたが, また一方, L-プロリン生成蓄積能の強さは菌株によって大きな差が認められ, L-プロリン生成蓄積能の最も菌株としてC. glutamicum KY 9003を選択した. 本菌を用いてL-プロリンの生産条件を検討した結果, 高濃度の塩化アンモニウム存在下でビオチンを菌体の生育増殖に充分量与えることによってL-プロリンの生成蓄積がいちじるしく増大した. この場合L-グルタミン酸の生産は非常に少なく両因子の高濃度化によるL-グルタミン酸発酵からL-プロリン発酵への転換が判然と認められた. また塩化アンモニウムの効果はアンモニウムイオンと塩素イオンの相乗的作用によることが判明した. アルコール類の添加効果を検討しエタノール, プロパノールまたはブタノール等の添加が菌体の過剰生育を抑制するとともに, L-プロリンの生成蓄積をいちぢるしく増進した.以上の検討の結果にもとずき5l-ジアーファーメンターを用い, 糖濃度23%, 塩化アンモニウム6.0%, ビオチン50γ/l, エタノール1.5%を含む培地で培養し, 96〜120時間でL-プロリン40mg/ml以上を蓄積した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1973-10-25
著者
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中西 透
協和醗酵防府工場:(現)東京研究所
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中西 透
協和醗酵工業(株)東京研究所
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横手 保治
協和醗酵工業株式会社東京研究所
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武次 保之
協和醗酵東京研究所
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横手 保治
協和醗酵防府工場
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武次 保之
協和醗酵防府工場
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