ビス(2-ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸-水銀による微量シアンイオンの間接光度定量法
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概要
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クエン酸ナトリウム共存下でシアンイオンにより,ビス(2-ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸-水銀錯塩からデマスクされたビス(2-ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸(BHDTCと略す)は銅イオンと反応し,黄色の可溶性銅錯体を生成する.この事実をシアンイオンの間接光度定量に利用するための諸条件を検討した.生成する銅錯体は383mμ付近に吸収極大を有し,その組成は連続変化法によるとBHDTCと銅との比が1:1であった.383mμでの吸光度はpH5.4〜5.7で少なくとも3時間は安定である.検量線はベールの法則からいくぶんはずれるが,0.2〜4ppmの濃度範囲のシアンイオンが簡便に定量できる.これから求めた感度は約0.00545γ/cm<SUP>2</SUP>であった.本法では鉄(III),水銀(II),ヨウ素イオン,チオ硫酸イオンの共存は妨害となるが,2ppmのシアンイオンに対して,20,000ppmの塩素イオン,120ppmのチオシアン酸イオン,200ppmの臭素イオン,400〜800ppmのカドミウム,マンガン(II),鉛,亜鉛の共存は影響がない.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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