抽出法を利用したテトラエチルチウラムジスルフィドによるテルル(IV)の吸光光度定量法
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概要
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テルル(IV)は塩酸溶液中でテトラエチルチウラムジスルフィドと反応して黄色の沈殿を生ずる.この沈殿は四塩化炭素に抽出されて透明な黄色溶液を与える.この事実を利用するテルル(IV)の新しい抽出吸光光度定量法を確立した.すなわち,テルル(IV)を含む塩酸溶液(3<I>N</I>)9m<I>l</I>に0.5%テトラエチルチウラムジスルフィドのアルコール溶液1m<I>l</I>を加え,400℃で3分間加温し,冷却後10m<I>l</I>の四塩化炭素を用いて抽出する.この溶液の吸光度を380〜440mμ間の適当な波長で測定し,テルル量を求める.テルル(IV)量10〜200γ/10mlの濃度範囲で検量線はベールの法則に従う.380mμおよび390mμにおける分子吸光係数はそれぞれ6350,4250である.銅(II),セレン(IV),水銀(II)および硝酸イオンの共存はテルルの定量に妨害となるが,15倍量のビスマス,50倍量のコバルト,100倍量のニッケル,200倍量の鉄(III),その他多くの金属イオンが共存しても妨害とならない.なお,テルル(VI)はこの条件下では本試薬と反応しない.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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