ビスムチオールII による微量セレン(IV) の抽出吸光光度定量法
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概要
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酸性溶液中でセレン(IV)はビスムチオールIIと反応し,クロロホルムに抽出可能な黄色錯体を形成する.この事実を利用する微量のセレンの定量を試みた.<BR>セレンを含む塩酸溶液(3<I>N</I>)19m<I>l</I>に,0.1%試薬溶液1m<I>l</I>を加え,10m<I>l</I>のクロロホルムで抽出する.pH7.5の緩衝液で過剰試薬を水層にもどしたのち,セレン錯体の吸光度をその極大吸収波長330mμで測定する.<BR>セレン0.5〜20μg/10m<I>l</I>の濃度範囲で検量線はベールの法則に従う.330mμにおけるSandellの表示による感度は0.0025μg/cm<SUP>2</SUP>である.ヒ素(V),銅(II),水銀(II),パラジウム(II),テルル(IV)の共存は妨害となる.連続変化法による抽出錯体の組成は,セレン:試薬=1:4である.<BR>また,ビスムチオールIIは一塩基酸として行動し,5<I>N</I>塩酸以上では320mμ(RH型)に,0.5<I>N</I>塩酸〜pH9では335mμ(R<SUP>-</SUP>型)に極大吸収波長をもつことを認めた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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