ビス(2-ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅による水銀の間接光度定量法
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概要
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ビス(2-ヒドロキシヱチル)ジチオカルバミン酸銅の黄褐色錯塩が水銀(II)により退色することを利用する水銀の間接光度定量法を試みた.すなわち,試料溶液にEDTAを加えpHを4.5に調節し,一定量の標記試薬を添加する.ついでこの溶液の吸光度を432mμまたは440mμ(フィルター使用時)で測定し,その吸光度の減少量から水銀量を求める.前記波長での感度はそれぞれ0.016γHg/cm<SUP>2</SUP>,0.019γHg/cm<SUP>2</SUP>である.CN<SUP>-</SUP>,I<SUP>-</SUP>および同量以上のFe(III),Cu(II)の共存は妨害となる.しかし本法によればCl<SUP>-</SUP>,SCN<SUP>-</SUP>,Br<SUP>-</SUP>,F<SUP>-</SUP>,C<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>,PO<SUB>4</SUB><SUP>3-</SUP>その他多くの金属イオンの共存下で,簡便に,しかも迅速に10〜200γ/20m<I>l</I>の水銀が定量できる.また標記銅錯塩にはそれぞれ432mμおよび383mμに吸収極大を持つ2種類の錯体が存在し,前者は銅あるいは水銀の添加により後者に移行すること,EDTAの共存はこの移行を阻害することを認めた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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