バナジウム,チタンの原子吸光法における界面活性剤の増感効果
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概要
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一酸化二窒素-アセチレンフレームを用いる原子吸光法で,界面活性剤の添加によりバナジウム及びチタンの吸光度はそれぞれ1.5,1.8倍に増大した.又この際検量線の直線領域は拡大し,共存イオンの影響も大幅に抑制された.一方,マグネシウムやクロムに対する界面活性剤の効果との比較から,原子化効率の小さい元素において増感効果が顕著であることが分かった.増感効果の原因を考察するため,フレームヘ供給される試料の液量を計り,バーナーよりの流出液中の金属イオン濃度を測定し,いずれも界面活性剤の添加によって有意の差がないこと,又この増感の割合はフレームの下部ほど大きいことが認められた.又バナジウムの原子吸収と,一酸化パナジウムの発光強度はともに臭化セチルトリメチルアyモニウムの添加によって増大し,その増大の程度もほとんど等しいことから,フレームの中でバナジウム原子と一酸化バナジウムが平衡にあると考えられる.これらの結果から,界面活性剤による増感の原因の主なものは噴霧時に生成する粒子が界面活性剤により更に微細化され,原子化が促進されるためであると推論した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1984-08-05
著者
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