下肢の浮腫,腹水にて発症した肝アミロイドーシスの1例
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概要
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患者は56歳男性.身体所見上,大腿から下腿にかけての浮腫,正中線上8横指にわたる肝腫大,腹壁静脈の怒張を認めた.検査成績では免疫グロブリンの著しい低下を認め,骨髄穿刺所見および血清,尿の免疫電気泳動結果より多発性骨髄腫と診断された.肝生検像では類洞内に肝細胞の萎縮を伴うアミロイドの著しい沈着を認め,多発性骨髄腫に伴うアミロイドーシスと診断した.本例での下大静脈造影では肝により広範囲に肝部下大静脈の圧排狭窄が認められた.下肢の浮腫の原因として腫大した肝による肝部下大静脈圧排に基づく還流障害が考えられた.また本例での肝静脈楔入圧は21mmHgと上昇しており,門脈圧亢進の機序として,アミロイドの類洞内沈着による門脈血流の障害に加え,腫大した肝による肝静脈流出路圧排に基づく血流障害,すなわちBudd-Chiari syndromeの可能性も考えられた,
著者
-
中沼 安二
金沢大学第2病理
-
小林 健一
金沢大学第1内科
-
金子 周一
金沢大学第1内科
-
寺田 忠史
金沢大学第2病理
-
松下 栄紀
金沢大学第1内科
-
鵜浦 雅志
金沢大学第1内科
-
河合 博志
金沢大学第1内科
-
ト部 健
金沢大学第1内科
-
稲垣 豊
金沢大学第1内科
-
荻野 英朗
金沢大学第1内科
-
種井 政信
金沢大学第1内科
-
西村 浩一
金沢大学第1内科
-
小栗 光
金沢大学第1内科
-
佐伯 理恵子
金沢大学第1内科
-
池田 直樹
金沢大学第1内科
-
木田 哲二
金沢大学第2病理
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