無症候性原発性胆汁性肝硬変症に対するウルソデオキシコール酸投与後のリンパ球機能の変化について
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概要
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原発性胆汁性肝硬変症(PBC)治療におけるウルソデオキシコール酸(UDCA)の作用機序の一つを明らかにするために,UDCA投与の有無別にリンパ球機能を比較し,さらに胆汁酸のNK活性に及ぼす影響について検討した.UDCA投与群では,UDCA非投与群に比して,CD3陽性細胞数は有意に低く(投与群66.5%,非投与群74.4%,p<0.05),またリンパ球幼若化試験は差を認めなかったが,NK細胞活性は有意に高く(15.4%,11.2%,p<0.05),IL-2産生能は低い傾向が認められた.一方,in vitroにおいてケノデオキシコール酸(CDCA)ならびにUDCAのリンパ球機能に及ぼす影響を検討したところ,CDCAはNK細胞活性を有意に低下させたが,UDCAの同時添加によりNK細胞活性の低下が抑制された.以上より,UDCA投与による胆汁酸組成の変化がリンパ球機能の改善をもたらし,PBCの臨床病理学的改善効果の一機序となっている可能性が推測された.
著者
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中沼 安二
金沢大学第2病理
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小林 健一
金沢大学第1内科
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金子 周一
金沢大学第1内科
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卜部 健
金沢大学第1内科
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松下 栄紀
金沢大学第1内科
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鵜浦 雅志
金沢大学第1内科
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河合 博志
金沢大学第1内科
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寺崎 修一
金沢大学第1内科
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荻野 英朗
金沢大学第1内科
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柳 昌幸
金沢大学第1内科
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