残肝再発巣において肉腫様変化を呈した肝細胞癌の一切除例
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概要
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肝細胞癌の肉腫様変化についての臨床病理学的特徴はすでに報告されているが,今回残肝再発巣に肉腫様変化を確認した肝細胞癌の1切除例を経験したので報告する.症例は64歳男性,肝硬変の経過観察中,画像診断にて肝右葉前上区域に肝細胞癌を診断し切除手術を施行した.病理診断は,Edmondson III型のtrabecular typeの肝細胞癌であった.1年3ヵ月後に肝左葉外側区域に再発巣が発見されたが,この病変の画像診断所見は初発巣の所見と異なっていた.この再発巣に対して肝動脈塞栓術を1回施行後再切除を行ったところ組織像はtrabecular typeの肝細胞癌を呈する部分と肉腫様変化を示す部分とがみられ,免疫組織化学的に検討すると,前者では上皮性成分由来のcytokeratinが陽性,後者では同じくcytokeratin陽性に加え間葉系成分由来を示すvimentinも陽性であった.このことより肝細胞由来である肝細胞癌の一剖が肉腫様変化を示したものと推測された.
著者
-
中沼 安二
金沢大学第2病理
-
福岡 賢一
福井県済生会病院内科
-
田中 延善
福井県済生会病院
-
浅田 康行
福井県済生会病院 外科
-
三浦 将司
福井県済生会病院
-
三井 毅
福井県済生会病院 外科
-
藤沢 正清
福井県済生会病院 外科
-
松井 修
金沢大学放射線科
-
浅田 康行
福井県済生会病院外科
-
井田 正博
福井県済生会病院中央放射線診断部
-
三井 毅
福井県済生会病院外科
-
河原 栄
金沢大学第1病理
-
寺田 忠史
金沢大学第2病理
-
登谷 大修
福井県済生会病院
-
福岡 賢一
福井県済生会病院外科
-
登谷 大修
福井県済生会病院外科
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