肝内胆管系の異常を伴った肝線維症の1剖検例
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概要
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肝内胆管系の異常を伴った肝線維症の1例(53歳,女性)を報告した.アルカリフォスファターゼ値の上昇と高γ-グロブリン血症が7年間持続し,死亡2年前より門脈圧亢進症が出現した.肝組織像では線維化がみられ,特発性門脈圧亢進症の組織豫に一致するものであった.<BR>私どもの開発した組織計測法と連続切片法により本例の肝内胆管系を検索したところ,約50〜60μ以下の太さの胆管に消失がみられ,胆管消失に付随して胆管上皮の障害がみられた.しかし,原発性胆汁性肝硬変にみられる胆管周囲の浮腫性病変や細胞浸潤はみられなかった.本例と原発性胆汁性肝硬変における胆管崩壊の病態発生に関して,若干の検討を行った.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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