ラット肝臓におけるリノール酸メチル自動酸化産物の吸収と代謝
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概要
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U-<SUP>14</SUP>C-ラベルしたリノール酸メチルヒドロペルオキシド (MLHPO), polymer画分 (おもにMLHPO二量体から成る) およびヒドロキシ (ヒドロペルオキシ) アルケナールを多く含む低分子分解産物 (LMW) をそれぞれ50mgずつ体重200gのラットに経口投与し, 投与6時間後の肝臓中の脂溶性成分への<SUP>14</SUP>Cの分布を調べ, これら脂質酸化産物の代謝系を比較した。<BR>本実験では下痢をおこさない程度の比較的少量の酸化物を投与した。MLHPO投与の場合, 全投与量の2.3%, polymerでは2.2%, LMWでは6.9%の<SUP>14</SUP>Cが肝臓に取り込まれた。肝臓の全<SUP>14</SUP>Cのうち脂溶性区分に存在した<SUP>14</SUP>C量は, MLHPO投与の場合40.1%, polymerの場合33.7%, LMWでは9.4%であった。よって, LMWはMLHPOやpolymerより肝臓に取り込まれやすいが, 脂溶性成分としては多くは存在しないことがわかった。MLHPO, polymerおよびLMW投与の場合とも, <SUP>14</SUP>Cは肝臓のトリグリセリドとリン脂質に多く分布し, これら肝脂質の構成脂肪酸のうちとくにノルマルの炭素数が16と18で飽和酸ないしモノエン酸として存在することがわかった。これら肝脂質への再利用は油脂酸化物の無毒化を反映したと思われた。LMWの強い毒性は, 肝臓への吸収のされやすさ, LMWに含まれるアルデヒド基などの極性官能基の存在, および水溶性区分への取り込まれやすさが, 大きく関係していると思われた。
著者
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