視床内側核単一ニューロン活動に対するCapsaicinの作用
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概要
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ネコを用い視床内側核の単一ニューロン活動に対するcapsaicinの作用を検討したところ次の結果が得られた.1)視床内側核より21個のニユーロンを単離したが,このうち10個は侵害刺激(皮膚のツメ付き鉗子によるpinch)および非侵害刺激(毛吹き,tapping)に反応し,6個は非侵害刺激のみに反応し,さらに残りの5個は刺激に全く反応しなかった.2)これら単離したすべてのニューロンについてcapsaicinの効果を検討したところ,侵害刺激と非侵害刺激の両方に反応する10個のニューロンは1個を除きすべてcapsaicinおよびbradykininに反応した.非侵害刺激のみに反応する6個のニューロンのうち5個はcapsaicinおよびbradykininに全く反応しなかったが,1個はニューロンの発火頻度が増加した.さらに刺激に対して全く反応を示さないニューロン5個はcapsaicinおよびbradykininにも全く反応しなかった.3)Bradykininに反応するニューロンはすべてcapsaicinに反応するが,ニューロンの反応潜時は著しく異なり,bradykininでの反応潜時は7.64±1.12秒,capsaicinのそれは0・97±0.07秒であった.4)Capsaicinによる発火頻度の増加はmorphineによって抑制され,naloxoneによって回復した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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小野寺 憲治
東北薬科大学
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安藤 隆一郎
東北薬科大学実験動物センター
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木皿 憲佐
東北薬科大学
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高橋 三雄
東北薬科大学
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大沢 啓助
東北薬科大学
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嶋 啓節
東北薬科大学薬品作用学教室
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安藤 隆一郎
東北薬科大学
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