発育中の子牛の水分出納,飼料摂取量および消化率に及ぼす飲水制限の影響

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ホルスタイン種去勢雄子牛3頭を供試し,飲水量を平常の67から78%に制限給水して,子牛の水分出納,飼料摂取量および消化率に対する影響について検討した.飲水量の制限処理は,以下の順序で行なった:78%制限期(14日間),自由飲水再開期(7日間),自由飲水期(19日間),67%制限期(14日間),自由飲水再開期(7日間).各期に連続2日間の採糞•採尿を行なった.子牛には,日量2.4kgのカーフスターターおよび2番刈オーチャードグラス乾草(自由採食)を給与した.得られた結果は以下の通りであった.1) 飲水制限により乾草摂取量が減少したがカーフスターターの摂取量には影響が認められなかった.2) 乾物,有機物,窒素および粗繊維の消化率は,飲水制限によっても有意に影響されなかった.3) 飲水制限により,糞および尿中への水分排出量が有意に減少した.4) 自由飲水給与を再開した第1日目に,飲水量は,非常に多くなったが,第2日目には,平常の飲水量の水準にまで戻った.同じ時期での尿中への水分排出量の変化は,飲水量の変化と同様なパターンを示したが,糞中への水分排出量は,漸増して自由飲水給与再開後4日で平常の水準に達した.また,生体重も,飲水制限中はほぼ一定で,自由飲水再開後短期間で増加した.5) 子牛は,約70〜80%飲水制限を14日間程度続けても,その後充分な量の給水を行なえば,乾草摂取量が減少するものの,2から4日でほぼ平常の状態に回復すると推察した.
社団法人日本畜産学会の論文

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