飼養方式の異なる肥育過程における黒毛和種去勢牛の血清アルカリ性フォスファターゼおよびグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ活性の変化

概要

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黒毛和種去勢牛24頭を用いて,給与飼料中の濃厚飼料割合を,肥育前期の約25%から後期の約85%まで増加させたもの,肥育中期以降を約85%としたものおよび全肥育期間(75週間)を通じて約80%以上としたものの3つの飼養方式における肥育期間中の血清アルカリ性フォスファターゼ(SALP)およびグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(SCOT)活性の変化を調査し,以下のような結果を得た.1) 生体重は,ほぼ直線的に増加したが,平均日増体量が0.5kg/日以下になった時期もあった肥育後期において,やや鈍い伸びとなった,しかし,3つの異なる飼養方式による有意な違いは認められなかった.2) 牛体各部位の発育および屠体成績も,3つの異なる飼養方式による有意な差は認められなかった.3) SALP活性は,飼養方式による差は認められず,肥育が進むにつれて減少するパターンを示した.しかし,肥育中期において,SALP活性が有意ではないが増加する傾向を示した.4) SGOT活性は,肥育前期で低く,肥育中期以降では約80Karmen単位前後の高い水準で推移した.しかし,屠殺解体後に肝臓およびその他の臓器には異常が認められなかった.
社団法人日本畜産学会の論文