ホルスタイン種去勢牛における枝肉の肉色評価に影響を及ぼす諸要因の解析

概要

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ホルスタイン種去勢牛(765頭)の肉色評価を,屠殺後冷蔵された枝肉のロース芯(胸最長筋)について行なった.各肉色評価の割合は,G1(最も良い)1%,G2(かなり良い)16%,G3(良い)46%,G4(少し劣る)27%およびG5(劣る)10%であった.「少し劣る」および「劣る」の合計は37%であり,3分の1を占めていた.肉色評価に影響する要因の解析には個体毎の肥育日数,導入時体重,出荷時体重,肥育期間中の増体量,日増体量,枝肉重量,枝肉歩留,屠殺から肉色評価をするまでの貯蔵期間,肥育農家から屠場までの輸送距離,胸最長筋の肉色(L*,a*,b*),pH,ロース部の厚さ,皮下脂肪の厚さ,筋間脂肪の厚さおよびロース芯面積の測定項目を用いた.分散分析の結果から,これらの中でいずれかの肉色評価間で差が認められた項目はL*,a*,b*,ロース部の厚さ,筋間脂肪の厚さ,皮下脂肪の厚さ,増体量および輸送距離であった.この8項目を判別要因として判別分析を行なったところ,L*,肥育農家から屠場までの輸送距離,ロース部の厚さ,増体量およびa*が肉色評価に強く影響していることがわかった.しかし,これらの要因による判別率は全体的には高いものではなかったことから,これら以外の要因があるものと考えられた.
社団法人日本畜産学会の論文