低温環境下におけるめん羊の外因性および内因性酢酸の動態

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低温環境下における給餌めん羊の血中酢酸の代謝回転速度に占める外因性および内因性酢酸の流入速度の貢献度を明らかにするために,門脈および腸間膜静脈カテーテル装着めん羊を用いて外因性および内因性酢酸の量的動態を測定した.常温(20°C,相対湿度70%)時と低温(0°C,相対湿度70%)暴露4日目に,給餌後3時間目から5時間にわたり頸静脈へ[1,2-14C]-酷酸ナトリウムを定速連続注入した。また,門脈血流量測定のために,給餌後5.5時間目から2.5時間にわたり腸間膜静脈へIndocyanine Greenを定速連続注入した.血中酢酸の比放射能が一定値に達した給餌後6〜8時間に,血中酢酸の比放射能,門脈動脈血中醇酸の濃度差および門脈血流量を測定し,これらの値をもとに血中酢酸の代謝回転速度,外因性および内因性酢酸の流入速度を算出した.常温→低温環境において,血中酢酸の代謝回転速度(5.61±2.10→5.93±0.54mg/min/kg0.75)には有意な変化はなかった.外因性酢酸の流入速度(4.53±1.18→4.32±0.86mg/min/kg0.75)は減少,また内因性酢酸の流入速度(1.08±1.00→1,61±1.33mg/min/kg0.75)は増加の傾向にあった.これらの両流入速度が代謝回転速度に占める割合(外因性80.7±36.7→72.8±20.4%,内因性19.3±10.0→27.2±20.5%)も,それぞれ減少および増加の傾向にあった.また,門脈系臓器(肝門脈へ静脈血液が流入する諸臓器)の酢酸取込み速度(1.59±0.62→1.18±0.31mg/min/kg0.75)は減少する傾向にあった.以上の結果から,4日間の低温暴露による給餌めん羊の外因性および内因性酢酸の流入速度の変化は小さく,血中酢酸の代謝回速度に占めるそれぞれの割合も有意に変化しないことが示唆された.

低温環境下におけるめん羊の外因性および内因性酢酸の動態

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