鶏の血漿グルコースとインスリン濃度に及ぼす寒冷暴露の影響

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概要

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体産鶏(白色レグホーン種)の血漿グルコース,インスリン,グルカゴンおよび遊離脂肪酸濃度(FFA)に対する24時間寒冷暴露の影響を検討した.環境温度を20°Cから0°Cに低下させると,血漿グルコース濃度は204±1.4mg/dlから徐々にかつ有意に減少し,16時間後に最低値(176±3.7mg/dl)を示した.血漿インスリン濃度は,寒冷暴露前値は3.10ng/mlであったが,12時間後に急激に有意な増加(最大値11721ng/ml)を示した.血漿グルカゴン濃度は,寒冷暴露でやや減少する傾向がみられ,12時間後に最低値を示したものの有意な変動ではなかった.また,FFAにも有意な変動は認められなかった.インスリン抗体を用いた免疫組織学的な観察では,寒冷に暴露した鶏の膵島細胞におけるインスリン濃度の減少が認められた.以上の結果から,鶏を寒冷に暴露すると血漿グルコース濃度が低下し,その原因にはインスリンの急激な膵分泌増加が関与するものと考えられる.
社団法人日本畜産学会の論文

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