ヒツジ下垂体前葉細胞におけるバソプレッシン刺激時のACTH放出と細胞内カルシウム濃度増加はCRF刺激時よりも大きい
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヒツジ下垂体前葉細胞におけるACTH放出及び組胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)に及ぼすアルギニンーバソプレッシン(AVP)およびCRFの効果を検討した.摘出ヒッジ下垂体をコラゲナーゼおよびDNaseで単離細胞に分散し, DMEM液で3日間培養してから供試した.1から100nMまでのAVPとCRFは,濃度および刺激持続時間に依存してACTH放出を増加し,100nMの刺激濃度および3時間以上の刺激持続時間で最大効果が認められた.100nM刺激時では, AVP刺激によるACTH放出は,刺激開始2時間および4時間目にCRF刺激による反応よりも有意(P<0.05)に大きい値であった.一方,AVPは,5から100nMまで,[Ca2+]iを濃度依存性に増加した.100nMでの反応を比較すると,AVPによる増加がCRFによる反応よりも有意(P<0.05)に大きい値であった.以上の結果から,ヒツジ下垂体前葉細胞では,AVPとCRFは[Ca2+]iの増加を介した細胞内機序でACTH放出を起こすこと,およびAVP刺激時の効果がCRFの効果よりも大きいことが明らかとなった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- ヒッジ下垂体前葉細胞における成長ホルモン放出ペプチド(GHRP-1)刺激時のGH放出と細胞内カルシウム濃度に及ぼすソマトスタチン, デキサメサゾンおよびオレイン酸の抑制効果
- 暑熱暴露がヤギの消化管通過速度と第一胃収縮運動に与える影響
- 暑熱暴露がヤギの消化管通過速度と第一胃収縮運動に与える影響
- ニホンジカにおける採食量、プラスティック・パーティクルの通過速度および反芻活動の季節変動
- 群飼ニホンジカの採食量と体重の通年変化
- 鶏の血漿グルコースとインスリン濃度に及ぼす寒冷暴露の影響
- ヒツジ下垂体前葉細胞内カルシウム濃度増加とACTH分泌増強効果
- 制限給餌下のニホンジカおよびヒツジにおける飼料片の消化管内通過速度および消化率の季節変動
- ヒツジ下垂体前葉細胞におけるバソプレッシン刺激時のACTH放出と細胞内カルシウム濃度増加はCRF刺激時よりも大きい
- 群飼ニホンジカの採食量と体重の周年変化