初乳蛋白に関する研究 : III 初乳ホエーの塩析並にアイソトープ追跡による初乳蛋白の燐結合に就て
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概要
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初乳ホエーを硫酸ソーダと硫安で塩析したが前者に於て濃度15%前後よりカゼイン以外の比較的易動度の早い蛋白が落ち,18.23%前後をピークとして上記のものより易動度の遅い蛋白が落ちている。硫安の場合1/2.5∼1/2.25飽和で多量の蛋白が落ち,飽和度1/3∼1/2.5では比較的易動度の遅い蛋白が落ちている。そして,之等の蛋白は,多少性質が異なつている様であるが更に微細な塩析と酸側アルカリ側で泳動する事等により泳動的に明確に単一蛋白である事を証明してその差異を究明したいと思う。蛋白の沈澱の際の燐の結合状態は複雑であり乳蛋白の放射能比が高く初乳の蛋白が高い事より燐代謝の旺な事を示している。又ホエー蛋白の放射能比がカゼインより大なる事は乳汁蛋白の合成機構及び乳汁中の灰分の結合状態の複雑性を示嗟して居り,今後の研究に待ちたい。終りにのぞみ終始御懇篤なる御指導を賜わつた恩師前野正久教授に篤く謝意を表す。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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