攻撃的な幼児の社会的スキル訓練 : コーチング法の適用による訓練効果の維持(原著)

概要

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本研究では,攻撃的行動や妨害的行動が顕著な2名の幼児(いずれも年長男子)の社会的スキルを改善するために訓練室と自然場面でのコーチング法を併用した社会的スキル訓練を試みた。ターゲットスキルは,(a)ルールの遵守(b)適切なやり取りの2つであった。9セッショソからなるスキル訓練の効果は,訓練後と1か月後の査定によって検討された。その結果,2名の対象者ともベースライン期に顕著に出現していた攻撃的行動や妨害的行動などの否定的な社会的行動は,社会的スキル訓練が導入されると急激に減少し,この効果は1か月後のフォローアップ査定の時点でも安定して維持されていた。また,本研究の訓練効果を査定する指標として用いられた自由遊び期間中の協調的遊びの割合は,2名の対象者のうち1名において,スキル訓練の開始と共に顕著に増加し,フォローアップ査定においても維持されていた。本研究で対象者に見いだされた肯定的な行動変容は,担任教師による社会的行動評定によっても確認された。
一般社団法人日本認知・行動療法学会の論文
1993-09-30