脊髄性筋萎縮症の遺伝カウンセリング

概要

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近年、分子遺伝学の進歩により、多くの遺伝性疾患の原因遺伝子が特定されてきた。遺伝学的検査による確定診断は、原因を特定するだけではなく、治療や予防に有用な情報が得られることにつながった。そのため、患者には適切な情報提供が必要となり、遺伝カウンセリングの重要性が増していくと考えられる。本稿では脊髄性筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy)の遺伝カウンセリングについて述べる。,遺伝カウンセリングでは、ある遺伝性疾患に関して、どのくらいの発症リスクがあるか、または再発のリスクがあるか等についての情報を求める患者(以下クライエント)が心の負担や重荷を感じることなく、様々な情報を得て、自己決定できるようにすることが重要と考えられている。,その過程では、クライエントにはチームで関わることが望ましく、臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラー、看護師、心理士などの臨床遺伝専門職は心理的、社会的な支援を通して、クライエントへの援助を行うことを求められている。,脊髄性筋萎縮症(以下SMA)の遺伝カウンセリングでは、遺伝学的検査による確定診断が行われる際に検査によってどのようなことが判明するか、家族にはどのような影響があるか、などについても説明を行い、結果が出た際に、自分がどのように考えるか、家族にはどう伝えればよいかなどについて、クライエントが十分に考えられることが大切であろう。,またSMAのI型〜II型は遺伝子変異が判明すれば、次子についての出生前診断が可能になる。,出生前診断を希望する夫婦は児には異常がない、という結果を求めて来院することが多い。児が罹患であった場合、その事実を受け止められるように、心の準備となる遺伝カウンセリングが重要になる。両親が不安や悲しみ等を表出しやすいように、その感情への対応が円滑に行われるように事前の遺伝カウンセリングが十分行われることが望ましいと考えられる。
2013-07-31

脊髄性筋萎縮症の遺伝カウンセリング

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