医科大学および同附属医療施設の勤務医師のワーク・ライフ・バランスに関する認識の男女比較
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概要
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昨今、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の調和)」が求められ、医療現場でも勤務環境の改善に向けた各種制度が導入されている。特に、育児や家事の負荷が大きい女性医師に対しては、勤務軽減などの制度が整備されているが、女性医師のみを対象とする支援制度に対して同僚からの不平等感を訴える声がある。そこで、男女医師の勤務環境の現状認識と要望を調査、比較することにより、現状の男女医師が抱えている問題の違いを明らかにし、男女医師が共にワーク・ライフ・バランスを実現するための改善策を検討することを目的とした。対象者は、東京女子医科大学の教職員2,022名で、期間は、2008年9月29日〜10月10日とした。調査票は無記名の自記入式質問票で、(1)ワーク・ライフ・バランスを実現する上で支障となっているもの、(2)ワーク・ライフ・バランスを実現するために必要な事項、(3)年齢、性別、婚姻の有無、子どもの有無、主な業務、主な職場、職位および専門、(4)現在行われている支援の有効性を尋ねた。回収数は433通、回収率は21.4%、解析可能な調査票は427通であった。自身のワーク・ライフ・バランスを実現する上で支障となっているものは、「収入が低い」、「勤務時間が長い」、「業務量が多い」、「休暇が取れない」、および「勤務時間が不明瞭」などで、上位9位までは男女医師で同項目であった。今後ワーク・ライフ・バランスを実現するために必要と思うものは、「適切な休暇の取得」、「病児保育の継続」、「必要人員の確保」、「院内保育所の運営」、および「金銭的ゆとり」であり、これも上位5位までは男女医師で同項目であった。実際に行われている支援策は、「有効」と回答したものの割合が高かった。男女医師において現状認識および今後の要望に対して違いはなく、ワーク・ライフ・バランスの実現のためには、男女医師に対する健全な勤務体制の構築が必要である。
- 2010-12-25
著者
-
野原 理子
東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学,東京女子医科大学男女共同参画推進局女性医師・研究者支援センター
-
松岡 雅人
東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学(一)
-
松岡 雅人
東京女子医科大学 医学部 衛生学公衆衛生学(一)
-
齋藤 加代子
東京女子医科大学小児科学
-
齋藤 加代子
東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 東京女子医科大学女性医師・医学研究者支援センター
-
野原 理子
東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学(一) 東京女子医科大学女性医師・医学研究者支援センター
-
野原 理子
東京女子医大
-
齋藤 加代子
東京女子医科大学
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