保育園での追跡調査および保護者へのアンケート調査による男女労働者に対する育児支援策の検討

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日本では依然として女性労働力率がM字カーブを描いたままの状況が続いており、男女労働者に対する育児支援策の整備が急がれている。過去の調査から、子どもの急病時の育児支援の整備が最も優先度が高いことが明らかであるが、子どもの年齢による違いや年間の動向などを把握し、実態を正確に分析するには不十分であった。そこで本研究では、アンケートにより保護者の職場環境を調査し、さらに、保育園での早退と欠席の実態を1年間追跡調査し、年齢別に比較し、実際に必要とされる看護休暇や病児保育など育児支援について検討することを目的とした。対象者は都内1保育園の全保育園児およびその保護者とし、調査期間は平成21年4月より平成22年3月末の1年間とした。調査方法は(1)保護者による自己記入式アンケート調査票への回答および(2)保育園における保育園出欠表および早退記録表からの情報収集とした。アンケート調査結果から、女性では職場での育児支援策が整っているものが多かったが、家庭とのバランスおよび技能や能力の発揮について満足度が低かった。充実した仕事を続けるための支障となっているものは、男性では金銭的な問題、女性では育児を挙げるものが多く、今後望むものは、男性では安定した収入や雇用、女性では夫の協力を挙げるものが多かった。保育園出欠表及び早退表の結果、病欠・早退のいずれも0歳児で多く1歳児以降は半減していた。本研究から、復職後1年間の保護者の看護休暇日数増加による、緊急呼び出しに対応できる職場環境の整備、急性期を過ぎ病状が落ち着いた後の病児保育や病後児保育等の社会基盤の整備および、保育園での体調不良児の保育看護体制の整備を今後進めるべきと考えた。
2011-12-25

保育園での追跡調査および保護者へのアンケート調査による男女労働者に対する育児支援策の検討

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