心理士による集団認知行動療法がうつ病患者のうつ症状の改善に及ぼす効果 : 対照比較研究(<特集>日本における心理士によるうつ病に対する認知行動療法のエビデンス)
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概要
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本研究の目的は、心理士による集団認知行動療法がうつ病患者のうつ症状の改善に及ぼす効果について、統制群を設定した対照比較を用いて検証することであった。集団認知行動療法は、認知療法や問題解決療法を基盤に構成された計12回のプログラムであった。薬物療法などの通常の治療に加えて、集団認知行動療法プログラムを受けた10名(CBGT併用群)、通常の薬物療法のみを受けた10名(TAU群)の2群のうつ症状の変化を測定した。うつ症状の評価にはBDI-IIが用いられ、計3時点(pre期、mid期、post期)において回答を求めた。ベースラインであるpre期のBDI-II得点を共変量として、群(CBGT併用群、TAU群)と測定時期(mid期、post期)を独立変数、BDI-II得点を従属変数とした2要因の共分散分析を行った。その結果、mid期に群間差はみられなかったものの、post期におけるCBGT併用群のBDI-II得点が、TAU群と比較して有意に低いことが示された。以上の結果から、通常の薬物療法に、心理士が行う認知行動療法を併用することで、うつ病患者のうつ症状の改音効果が高まり、その効果が維持されることが実証的に示された。
- 2012-09-30
著者
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貝谷 久宣
医療法人和楽会
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田上 明日香
早稲田大学大学院
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鈴木 伸一
早稲田大
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小関 俊祐
愛知教育大学学校教育講座
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熊野 宏昭
医療法人和楽会赤坂クリニック:早稲田大学入間科学学術院
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小関 俊祐
愛知教育大学教育学部
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伊藤 大輔
金沢大学保健管理センター
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兼子 唯
早稲田大学大学院人間科学研究科
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巣山 晴菜
早稲田大学大学院人間科学研究科
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金谷 順弘
株式会社産業経営戦略研究所
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鈴木 伸一
医療法人和楽会赤坂クリニック
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兼子 唯
早稲田大学大学院人間科学研究科:日本学術振興会
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伊藤 大輔
金沢大学保健管理センター:金沢大学大学院教育学研究科
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田上 明日香
早稲田大学人間総合研究センター:株式会社損保ジャパン・ヘルスケアサービス
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兼子 唯
医療法人和楽会心療内科・神経科赤坂クリニック
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貝谷 久宣
医療法人和楽会パニック障害研究センター:医療法人和楽会心療内科・神経科赤坂クリニック
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兼子 唯
早稲田大学人間科学研究科
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小関 俊祐
愛知教育大学
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巣山 晴菜
早稲田大学人間科学研究科
-
巣山 晴菜
早稲田大学大学院人間科学研究科臨床心理学研究領域
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田上 明日香
早稲田大学人間総合研究センター:損保ジャパン・ヘルスケアサービス
-
田上 明日香
早稲田大学人間科学研究科
-
熊野 宏昭
医療法人和楽会赤坂クリニック
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