Trichoderma属菌の土壌中での活性に及ぼす要因
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概要
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Tyichoderma属菌の中性〜アルカリ域土壌中での不活性化の原因について検討した。本菌はpH4.2の土壌から分離されたにもかかわらず,胞子形成はpH6.0で最も良好であった。緩衝液でpHを調整した液体培地で本菌を培養するとpH4.0はアルカリ側に,pH8.0は酸性側に変化したが,pH6.0はほとんど変化しなかった。このことから,pHの直接的影響のほかの影響があると考え,母材が同一でpHのみ異なる土壌の微生物相を調べた。その結果,pH7.8の野菜圃場の土壌はpH4.2のパインアップル圃場の土壌に比べて糸状菌で3倍,放線菌で4倍および細菌では5倍の数であった。両土壌から分離した菌のTlignorum (RT-11株)に対する拮抗を見ると,野菜圃場の土壌にはパインアップル圃場の2倍の拮抗菌が存在した。野菜圃場から分離したAspergillus菌にはT. lignorum (RT-11株)を強く拮抗するものが多かった。Aspergillus菌の培養ろ液はT. lignorum (RT-11株)に対し影響を及ぼさなかったことから,拮抗の作用機作は養分や生息場所等の競合の可能性が考えられる。以上のことから,中性およびアルカリ域土壌におけるTrichoderma属菌の不活性化の原因には,pHの直接的影響と土壌に生息する微生物等の影響によることが示唆された。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 2002-10-01
著者
-
安谷屋 信一
琉球大学農学部生物生産学科
-
棚橋 恵
新潟県農総研 園芸研セ
-
棚橋 恵
新潟県農総研園芸研究センター環境課
-
諸見里 善一
琉球大学農学部
-
田場 聡
沖縄県農業試験場
-
本村 恵二
琉球大学
-
諸見里 善一
琉球大農
-
本村 恵二
琉球大学農学部
-
安谷屋 信一
琉球大学農学部
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