菌核形成様式を異にする 2 種類の糸状菌, Rhizoctonia solani Kuhn 及び Sclerotinia sclerotiorum (Libert.) de Bary(農学科)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
菌核形成様式の異なる2種類の糸状菌, Rhizoctonia solani(Loose type : 粗型)とSclerotinia sclerotiorum(Terminal type : 末端型), の菌核形成過程の比較を行った。培地上に形成された成熟菌核を比較すると, R.solaniの菌核は直径2∿3mmで内部まで黒褐色に着色しているのに対し, S.sclerotiorumの菌核は外層部は黒褐色であるが内層部は水分を多く含んだ白色の組織である。走査電顕で菌核形成過程を観察すると, R.solaniでは直線的に伸長する菌糸が分岐化し, 数本の菌糸が互いに織り込みあい菌核原基が形成され, 白色菌核∿成熟菌核の表面は密な菌糸に覆われて, 内, 外部とも蜂の巣状を呈していた。これに対し, S.sclerotiorumでは曲線状に伸長する菌糸が束状にからみあい菌核原基が形成された。白色菌核の段階ではまだ明瞭な内, 外層の分化は認められないが, 着色成熟にともなって2∿数層の空胞化した外層部と菌糸が融解, 融合し間隙の少ない内層部に分化した。また, 菌核表面を覆う菌糸にも変化が認められた。
- 琉球大学の論文
- 1985-12-02
著者
関連論文
- Oryza rufipogon由来の系統RT18Aにおける細胞質雄性不稔および稔性回復の遺伝
- (18)マンゴー炭疽病菌の潜在感染とその病原性(九州部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- 大学研究室紹介 キャンパスだより(49)琉球大学農学部 植物病理学研究室
- 線虫捕捉菌Monacrosporium ellipsosporumと殺線虫剤の混合剤ビーズによるサツマイモネコブセンチュウMeloidogyne incognitaの防除
- (63) Alternaria alternataによるヤエヤマアオキ黒斑病(新称)(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (13) Colletotrichum gloeosporioidesによるヤエヤマアオキ炭疽病(新称)(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Oryza rufipogon由来のイネ系統RT102における細胞質雄性不稔および稔性回復の遺伝
- マンゴー炭疽病の生物的防除法に関する研究(1)マンゴー葉面の微生物相と拮抗菌の探索
- Trichoderma 属菌の土壌中での活性に及ぼす要因
- 野生稲Oryza rufipogonに由来する早生遺伝子Ef_r(t)の同定および連鎖分析
- 野生イネ由来の雄性不稔性細胞質の分類
- マンゴー炭疽病の生物的防除法に関する研究 (II) : マンゴー果実および葉におけるPenicillium waksmanii Zaleski (T-141株)の防除効果
- Colletotrichum acutatum SlMMONDS ex SlMMONDSによるマンゴー炭疽病(病原追加)
- (197)放線菌によるマンゴー炭疽病の生物防除(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (70) 収穫後の果梗部熱処理によるマンゴー軸腐病の防除(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Colletotrichum gloeosporioidesによるピタヤ炭疽病(新称)
- (142) マンゴー軸腐病の発生生態と耕種的防除法(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 線虫捕捉菌を活用したサツマイモネコブセンチュウの生物的防除と薬剤感受性
- (183)放線菌を利用したマンゴーおよびビワ炭疽病の圃場における防除効果(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (98)ピタヤに発生したColletotrichum gloeosporioidesによる炭疽病(新称)およびMacrophomina phaseolinaによる炭腐病(新称)(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- G317 沖縄の土壌に分布する線虫捕捉菌の生理生態およびネコブセンチュウ防除における有効種のスクリーニング(線虫)
- (54) 沖縄の土壌に分布する線虫捕捉菌の生理・生態学的研究
- (102)沖縄の土壌から分離されたChaetomium属菌の抗菌物質産生について(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Rhizoctonia solani Kuhn AG-1 (IA) の菌核形成過程における炭素源の利用
- (74) 土壌中におけるChaetomium trilateraleの菌核形成菌に対する拮抗 (日本植物病理学会大会)
- (37) Rhizoctonia solani Kuhn(AG-1,IA)の菌核形成における炭素源の利用機構 (日本植物病理学会大会)
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1, IA)の菌核形成に及ぼすリンおよびマグネシウムの影響
- (92) Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1, IA)の菌核形成に及ぼすリン酸およびマグネシウムの影響 (平成2年度大会講演要旨)
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1,IA) の菌核形成に及ぼす単色光の影響(農学科)
- (188) 土中に埋めた Sclerotinia sclerotiorum の菌核から分離された Chaetomium 属菌とその抗菌性について (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (178) 土壌中に埋めた Sclerotinia sclerotiorum の菌核から分離された Aspergillus terreus(119株)の抗菌性について (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (8) 数種菌核形成菌の生存に及ぼす土壌微生物の影響 (昭和60年度地域部会講演要旨(九州部会))
- (210) Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1, IA) の菌核形成に及ぼす単色光の影響 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (62) Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1, IA) の菌核形成にともなう代謝酵素類の変化 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1, IA) の菌核形成に及ぼす光照射の影響
- (115) アミノ酸によるRhizoctonia solaniの菌核形成阻害過程における蛋白および酸化酵素類の変化 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (112) Rhizoctonia solaniの菌核形成にともなう可溶性蛋白および3種類の酸化酵素のアイソザイムの変化 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 沖縄の有用植物病害目録 VI
- 沖縄の有用植物病害目録 V(生物生産学科)
- 沖縄の有用植物病害目録 IV (生物生産学科)
- 沖縄の有用植物病害目録 III (生物生産学科)
- 沖縄の有用植物病害目録 II(生物生産学科)
- 沖縄の有用植物病害目録 I (資料)(生物生産学科)
- (245) ミョウガ根茎腐敗病の耕種および生物的防除に関する研究(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (229) 未利用植物資源を活用したサツマイモネコブセンチュウの防除に関する研究(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (107) Rhizopus stolonifer (Ehrenberg : Fries) Vuillemin var. stoloniferによるピタヤ黒かび病(新称)の発生(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Pasteuria penetransのサツマイモネコブセンチュウへの付着に及ぼす土壌の影響
- 菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌核から分離したChaetomium trilaterale var. diporum RC-5が産生する抗糸状菌物質
- (30) ピタヤ茎腐れ症から分離された3種病原糸状菌(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (257) ツルレイシ(ゴーヤー)葉圏微生物による黒かび病の生物防除に関する研究(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (29) Biporalis cactivora (Petrak) Alcornによるピタヤ黒斑病(新称)の発生(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1)の菌核形成に及ぼすアミノ酸の影響 : II. 菌核分化過程とアミノ酸によるその抑制
- (24) Alternaria alternata (Fries) Keisslerによるメボウキ黒斑病(新称)(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1)の菌核形成に及ぼすアミノ酸の影響 : I. 各種アミノ酸の菌核形成阻害
- (12) ピタヤに発生した褐斑病(新称)(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Rhizopus stolonifer var. stoloniferによるツルレイシ黒かび病(新称)
- (108) Rhizopus stolonifer (Ehrenberg : Fries) Vuillemin var. stoloniferによるツルレイシ黒かび病(新称)(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 沖縄本島の土壌における線虫捕捉菌の分布および要因解析
- Monacrosporium phymatopagumの感染菌糸による線虫捕捉
- Lasiodiplodia theobromaeによるマンゴー軸腐病(新称)(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- サツマイモネコブセンチュウに対するアワユキセンダングサ(Bidens pilosa L. var. radiata Scherff.)煮沸抽出液の異なる土壌における防除効果と土壌微生物相に及ぼす影響
- Trichoderma属菌の土壌中での活性に及ぼす要因
- Rhizoctonia solani Kuhn と Sclerotinia sclerotiorum (Libert.) de Bary の菌核生存に及ぼす 2,3 の物理的要因の影響(農学科)
- 菌核形成様式を異にする 2 種類の糸状菌, Rhizoctonia solani Kuhn 及び Sclerotinia sclerotiorum (Libert.) de Bary(農学科)
- サツマイモネコブセンチュウに対するアワユキセンダングサ (Bidens pilosa L. var. radiata Scherff.) 煮沸抽出液の異なる土壌における防除効果と土壌微生物相に及ぼす影響