マツヨイグサ属植物の栽培・育種(第1報) : マツヨイグサ属植物の地理的変異
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概要
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日本各地からオオマツヨイグサ27系統,メマツヨイグサ23系統,アレチマツヨイグサ12系統,マツヨイグサ9系統,コマツヨイグサ1系統,計5種72系統の種子を集め,長崎大学薬学部野母薬用植物園で秋播,春播をおこなった.1)いずれの種においても春播が秋播より発芽率は高くなり,コマツヨイグサを除き,平均発芽日は早くなった.マツヨイグサ属植物の種子は,ある程度の後熟性を有するらしい.2)マツヨイグサ属植物の播性を,春播型,中間型,秋播型に大別することができる.オオマツヨイグサ,メマツヨイグサ,アレチマツヨイグサは3型とも存在し,高緯度の地方のものは秋播性が高く,逆に低緯度地方のものは春播性が高くなる傾向を示した.3)種子収量は,秋・春播とも収穫の次年度に遅延したものは低くなった.また系統間の変異は比較的大きかったが,一定の傾向をもった地理的変異はみとめられなかった.4)油含量は,秋・春播とも収穫の次年度に遅延したものが低くなった.逆にγ-リノレン酸の含量は高くなった.油含量,γ-リノレン酸含量は,種子収量に比べ比較的安定しており,各系統の差は小さい.地理的変異もはっきりしない.そのため,油およびγ-リノレン酸の収量は種子収量に大きく支配される.5)種子収量,油およびγ-リノレン酸含量などより総合的に判断して,メマツヨイグサが最も栽培に適しているらしい.
- 日本生薬学会の論文
- 1972-06-20
著者
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