若年者の虚血型網膜中心静脈閉塞症に対する放射状視神経乳頭切開術の長期経過

概要

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緒言:若年者の虚血型の網膜中心静脈閉塞症 (central retinal vein occlusion: CRVO) に対して、放射状視神経乳頭切開術(radial optic neurotomy: RON)を施行し長期経過観察が可能であった症例を報告する。,症例:28歳の男性。初診時右眼の視力は0.2 (矯正不能)で、右眼には全周網膜出血、網膜静脈拡張・蛇行、視神経乳頭浮腫、黄斑部には嚢胞様黄斑浮腫 (cystoid macular edema: CME) ・漿液性網膜剥離を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影では、腕網膜循環時間の遅延(30秒) 、造影早期から網膜血管透過性亢進を高度に認め、網膜周辺に無灌流領域を広範囲に認め、虚血型CRVOと診断した。全身の血液検査で脂質異常症を認めた。RONを施行し、術中術後には重篤な合併症を認めなかった。術後2ヶ月でCMEの再燃を認めたが、トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下注射、ベバシズマブ硝子体内注射の施行により改善した。術後3年経過したが、右眼の視力は (0.6) と比較的良好に保たれている。,結論:若年者の虚血型のCRVOに対してRONを施行し、術後3年にわたって良好な視力を維持できた。
2012-01-31