上下斜視が著明に変動した眼窩筋炎の1例

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概要

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両眼の慢性眼窩筋炎のため、眼位が2度逆転した症例を報告する。,症例は72歳の女性で、左眼の眼瞼下垂を主訴に来院した。初診時、左眼の上斜視がみられたが3日後には逆に左眼下斜視となった。MRIでは左眼は上直筋・上斜筋、右眼は下直筋に腫脹およびガドリニウム造影による増強効果が認められた。その後も眼位の変動がみられ、最終的には左眼上斜視となった。右眼は初期には下転制限がみられたが経過中に上転制限に変化した。左眼は初期には上転制限がみられたが、その後下転制限に変化したステロイドの内服治療により、炎症による筋麻痺の状態から、線維化による伸展障害と筋再生による筋力増大へと変化したものと考えた。現在は左眼上斜視に固定している状態であり、将来は斜視手術により眼位矯正を行う予定である。,結論:両眼の眼位の多彩な変動は、炎症が波及した眼筋の動向に起因すると考えられた。
2012-01-31

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