抽象的主題と日常的文脈を結びつけた情報の提示が授業理解に及ぼす効果 : 社会科の授業展開に関する比較研究

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概要

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社会科の授業は,教師によって用語・理論といった多くの情報が生徒に与えられる。そこで与えられた情報の中には,時間の経過とともに忘れ去られるものも多い。だが,学習者の記憶の保持や理解は,与える情報の配列や構成の仕方によって影響されると考えられる。したがって,どのような構成方法が他の方法に比べて学習者の理解・記憶に有効であるかを検討する必要がある。本研究では,情報を抽象的な主題と日常的文脈によって構成した授業(テーマ中心型授業)と,概念的知識を中心に構成した授業(概念中心型授業)を比較し,学習者の記憶の保持や理解に与える影響を実際の授業を用いて検討した。その結果,テーマ中心型授業と概念中心型授業の間には,直後のテストでは記憶の保持や理解に差異は見られなかった。しかし,3ヵ月後の遅延テストにおいて,概念中心型授業を受けた生徒に比べ,テーマ中心型授業を受けた生徒は,説明形式のテスト成績が高いことが明らかになった。
日本教科教育学会の論文
2004-09-30

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