テスト形式スキーマへの介入が空所補充型テストと学習方略との関係に及ぼす影響
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概要
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空所補充型テストは,浅い処理の学習方略使用を促進し,深い処理の学習方略使用を阻害することが指摘されている。本研究では,学習者が"空所補充型テストには浅い処理の学習方略が有効である"という"テスト形式スキーマ"を持っているために,このような問題が生じると考えた。そして,実際の歴史の授業場面を用いて,"テスト形式スキーマを変容させる介入を行うと,客観式テストであっても,浅い処理の学習方略が促進されない"という予測の検証を行った。具体的には,中学2年生55人を,テスト形式スキーマに介入するクラス(テスト形式スキーマ+方略介入群)と,介入しないクラス(方略介入群)の2クラスに分け,空所補充型テストを実施したときに,方略がどのように変容するかを検討した。結果,テスト形式スキーマ+方略介入群が,方略介入群に比べて,空所補充型テストが実施されたときに,暗記方略の使用を抑制することが示された。また,授業ノートへの書き込みも,テスト形式スキーマ+方略介入群が多くなることが明らかになった。空所補充型テストの予期が学習方略使用に影響を与える背後には,"テスト形式スキーマ"という要因が介在していることが示唆された。
- 日本教育心理学会の論文
- 2006-03-30
著者
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