テストへの適応 : 教育実践上の問題点と解決のための視点
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概要
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学習者は,テストを受ける中で,"テスト作成者はこういったことを評価したいのだ"とその評価基準・意図を推察し,それにあわせて自らの学習行動を変化させることがある。本稿では,そのような現象を"テストへの適応"と呼び,関連領域を包括的に概観しながら,1)実証的にどのような形で支持されているのか,2)どのような教育実践上の問題点を持っているのか,3)その問題を解決するための視点として何が考えられるか,の3点に関して検討を行った。実証的な支持に関しては,テスト期待効果研究と学習方略研究を取り上げ,それらを統合的に捉える仮説を提出した。問題点としては"学習行動の危機"と"妥当性の危機"という2点を指摘した。最後にこれらの問題を解決するために,テストワイズネス・テストスキルの個人差の排除,新しい評価(alternative assessment)の導入,インフォームドアセスメント(informed assessment),妥当性概念の拡張,表面的妥当性への意識,という5つの視点を提出した。
- 日本教育心理学会の論文
- 2006-06-30
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