韻律の部分空間を用いた感情音声合成
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概要
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様々な感情を含んだ音声の韻律パターンを主成分分析して得られる部分空間を用いて,所望の感情を含んだ任意単語音声を合成する手法を提案する.本手法は,感情による韻律パターンの変動を部分空間に集約することによって,学習音声に十分近い新しい韻律パターンも合成することができる.また,従来独立に制御していたピッチ軌跡,パワー軌跡,モーラ長といった韻律成分を,それらの相関関係を保持しながらすべてを同時に制御することができる.部分空間は,アクセント型とモーラ数の組ごとに算出し,学習音声に対する感情の主観評価値ベクトルと重回帰式で対応付ける.音声を合成する際には,所望の感情から部分空間を経由して韻律パターンを生成し,TD-PSOLA法によって音声波形を合成する.実験により,4次元程度の部分空間で韻律パターンの変動の約90%を表現でき,さらに感情の主観評価値と精度良く対応付けられることを確認した.学習内および学習外のアクセント句を用い,感情を段階的に与えた合成音声に対して聴取実験を行った結果,「悲しい」「退屈」「怒り」「驚き」「落胆」「嫌悪」について,与えた感情が聴き手に知覚された.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2009-03-15
著者
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小沢 慎治
慶應義塾大
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小沢 慎治
慶応義塾大学理工学部
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小沢 慎治
愛知工科大学
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小沢 慎治
慶應義塾大学理工学部情報工学科
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森山 剛
慶應義塾大学理工学部
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森 真也
慶應義塾大学理工学部情報工学科,現在,株式会社リコー
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小沢 慎治
慶應義塾大学大学院理工学部研究科
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小沢 慎治
慶応義塾大学理工学部電気工学科
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Ozawa Shinji
Faculty Of Science And Technology Keio University
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森山 剛
慶應義塾大学理工学部情報工学科 現在 東京工芸大学工学部メディア画像学科
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森 真也
慶應義塾大学理工学部情報工学科 現在 株式会社リコー
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