ムラサキイモ色素のF344/DuCrjラットにおける13週間経口投与毒性試験
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概要
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ムラサキイモ(Ipomoea hatatas POIR.)の根より抽出した色素(ムラサキイモ色素)の経口投与による亜急性毒性試験による毒性評価を行った。ムラサキイモ色素を0.6, 1.25, 2.5および5.0%の濃度で飼料中に混合し、1群雌雄各10匹のF344ラットに13週間投与した。一般状態、生存率、体重変化、摂餌、摂水量にはムラサキイモ色素の投与による影響は認められなかった。また、血液学的検査、眼科学的検査、解剖および病理組織学的検査の結果、ムラサキイモ色素投与に起因する変化は認められなかった。本実験において統計学的有意差が観察された主な所見は、以下の通りであった。尿検査では、雌1.25%以上の投与群に電解質(Na^+, K^+, Cl^-)の高値、雄5%群に尿量の低値をそれぞれ認めた。血清生化学的検査では、雄2.5および5%群に総ビリルビンの高値、雌5%群に血糖および中性脂肪の低値、雌の全被験物質投与群に塩化物の高値をそれぞれ認めた。臓器重量では、雌5%群に腎臓の相対重量の増加を認めた。しかしながら、雌1.25%以上の投与群で観察された尿中電解質の高値は、いずれも用量相関を示さない変化であった。また、被験物質投与各群の雌に認められた血清中塩化物の有意な高値はいずれも対照群との差は小さいものであり、正常範囲内の変動であると考えられた。雌5%群において腎臓の相対重量の高値を認めたが、肉眼的病理検査および病理組織学的検査では変化を認めなかったことより、毒性学的意義はないと考えられた。以上の結果より、雌雄のラットにムラサキイモ色素の13週間反復経口投与による明らかな毒性学的影響は観察されなかった。さらに、本試験における無影響量は雌雄とも5.0%であったと推察された。
- 日本食品化学学会の論文
- 1997-02-24
著者
-
玉野 静光
株式会社dims医科学研究所
-
今井田 克己
名古屋市立大学医学部第1病理
-
今井田 克己
香川大学医学部腫瘍病理学
-
今井田 克己
名古屋市立大学大学院医学研究科実験病態病理学:香川医科大学腫瘍病理学
-
今井田 克己
香川大学腫瘍病理
-
今井田 克己
名古屋市立大学 院 実験病態病理
-
今井田 克己
香川大学 医学部 腫瘍病理学
-
今井田 克巳
名古屋市厚生院付属病院病理
-
今井田 克己
香川大学 医学部腫瘍病理学
-
今井田 克己
名古屋市立大学
-
今井田 克己
名古屋市厚生院
-
萩原 昭裕
株式会社dims医科学研究所
-
佐野 真士
(株)dims医科学研究所
-
河部 真弓
(株)dims医科学研究所
-
広瀬 雅雄
First Department Of Pathology Nagoya City University Medical School
-
萩原 昭裕
大雄会医科学研究所
-
玉野 静光
大雄会医科学研究所
-
中村 幹雄
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
-
佐野 真士
大雄会医科学研究所
-
荻原 昭裕
大雄会医科学研究所
-
河部 真弓
大雄会医科学研究所
-
広瀬 雅雄
名古屋市立大学医学部第一病理学教室
-
広瀬 雅雄
名古屋市立東市民病院病理
-
広瀬 雅雄
名古屋市立大学
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