2種のアカネ色素のラットを用いた中期多臓器発癌性試験での非発癌促進作用ないし非発癌性
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概要
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アカネ科セイヨウアカネ(Rubia tinctorum L.)の根より抽出される天然のアカネ色素(Madder color)のラット中期多臓器発癌性試験法による発癌性評価を実施した。6週齢のF344系雄ラット190匹を用い、複数の臓器に発癌イニシエーションを行う目的で実験開始時にN-nitrosodiethylamine (100mg/kg)を単回腹腔内投与し、N-methyl-N-nitrosourea (20mg/kg)を第1および2週に4回腹腔内投与し、N-bis (2-hydroxypropyl) nitrosamineを0.1%の濃度で飲料水に混じて第3および4週に投与した(DMD処置)。DMD処置後、アカネ色素(サン***ーAK)とアカネ色素製品(SRレッドRTM)(各々2.5%と5.0%)、非発癌性のキノン系色素であるコチニール色素製品(陰性対照物質)P. SAN RED No. 1 (5.0%)および陽性対照物質フェノバルビタール(0.05%)をそれぞれ混餌にて第5-20週の16週間投与した。DMD処置後、基礎食のみで飼育したものを対照群とした。全経過20週で屠殺剖検し、全身諸臓器を病理組織学的に検索した。肝臓については免疫組織学的に胎盤型glutathione S-transferase(GST-P)染色を施し、その陽性細胞巣を定量的に解析した。被験物質投与に起因すると考えられる死亡例や一般症例はみられず、体重にも影響を認めなかった。SRレッドRTMの5.0%投与群には、摂水量の高値傾向を認めた。DMD処置後にアカネ色素(サン***ーAK)とアカネ色素製品(SRレッドRTM)を投与した各群の全身諸臓器に種々の過形成および腫瘍性病変を観察したが、いずれも対照群との間に有意な差はみられなかった。また、肝GST-P陽性細胞巣の定量値においても対照群と比較して差異を認めなかった。2種のアカネ色素サン***ーAKとSRレッドRTMは、本試験法においていずれの臓器においても発癌促進作用を示さなかった。従って、アカネ色素には発癌促進作用ないし発癌性のないことが強く示唆された。
- 日本食品化学学会の論文
- 1997-12-31
著者
-
玉野 静光
株式会社dims医科学研究所
-
今井田 克己
名古屋市立大学医学部第1病理
-
今井田 克己
香川大学医学部腫瘍病理学
-
今井田 克己
名古屋市立大学大学院医学研究科実験病態病理学:香川医科大学腫瘍病理学
-
今井田 克己
香川大学腫瘍病理
-
今井田 克己
名古屋市立大学 院 実験病態病理
-
今井田 克己
香川大学 医学部 腫瘍病理学
-
今井田 克巳
名古屋市厚生院付属病院病理
-
今井田 克己
香川大学 医学部腫瘍病理学
-
今井田 克己
名古屋市立大学
-
今井田 克己
名古屋市厚生院
-
萩原 昭裕
株式会社dims医科学研究所
-
佐野 真士
(株)dims医科学研究所
-
河部 真弓
(株)dims医科学研究所
-
萩原 昭裕
大雄会医科学研究所
-
中村 幹雄
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
-
玉野 静光
株式会社大雄会医科学研究所
-
佐野 真士
株式会社大雄会医科学研究所
-
河部 真弓
株式会社大雄会医科学研究所
-
萩原 昭裕
株式会社大雄会医科学研究所
-
田中 光
株式会社大雄会医科学研究所
-
小久保 百合子
株式会社大雄会医科学研究所
-
門田 忠臣
株式会社大雄会医科学研究所
-
小久保 百合子
株式会社大雄会医科学研究所:名古屋市立大学医学部第一病理学教室
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