26. 地域の地震危険度に対する活断層の影響 : 神戸を例として

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兵庫県南部地震でかくも大きな被害をもたらした主要因の一つに「想定を上回る強さの地震動が来襲した」ことが挙げられている。このことは地域防災計画の策定や構造物の耐震設計・耐震補強における基本事項である地震外力の想定そのものを今一度見直す必要があることを指摘している。特に今回の地震は発生頻度がきわめて低い活断層の活動に基づくものであり、今後はこうした活断層をいかに評価するかについての検討が不可欠である。本報告では活断層を考慮した地震危険度評価の考え方を再整理した上で、神戸を対象とした確率論的地震危険度解析ならびに確率論的想定地震の算定を行なった。それらの結果に基づき、兵庫県南部地震の際に記録された最大加速度の再現期間について評価するとともに、活断層を考慮した神戸における想定地震から見た兵庫県南部地震の考察を行なった。ここで実施した確率論的地震危険度解析によれば、活断層を考慮した結果を用いたとしても、今回神戸で経験した地震動強さの再現期間は1,000年以上と評価される。したがって、このような低頻度の地震動をいかに評価していくかが今後の重要な課題として指摘できる。一方、想定地震の立場から今回の地震を考察すると、少なくとも歴史上記録されている地震発生データのみからでは事前の想定は難しかったと思われる。このことは今後の地震危険度評価において、活断層データなど有史以上の長期間の地震活動を反映した情報を何らかの形で取り入れていくことが不可欠であることを示唆するものである。しかしながら、活断層データには地震源としてのモデル化や発生頻度の評価などに大きな不確定性が含まれることから、こうした点を工学の問題にいかに取り込んでいくかについても含めて、今後総合的な議論が必要であると言えよう。
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26. 地域の地震危険度に対する活断層の影響 : 神戸を例として

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